多様化の時代に
「一人ひとりに合わせて」が進まない

「多様化の時代」と言われるようになって、数年は経ったように思います。「ひとりひとりが大切にしたいものを守れる世の中であるべき」という議論に、触れることも増えました。「こうしていれば安心」「多くの人の最適解がベストな選択」、ある種の拠り所ともなっていた考え方がだいぶ薄れてしまったことの裏返しとも言えそうです。株式会社mananicoは、発足当初から、「学びのゴールはひとつではない」「学習者主体の学びをどう引き出し、支えるべきか」ということを力を注ぎたいテーマとして掲げていたこともあり、一定、時代に合った具現化を見てこれたように感じています。一方で、こんな時代だからこそ、学校現場にいる先生方から、生徒の主体性を尊重し、多様な選択ができるような学校改革を進めたいが、なかなか実現できずに行き詰まっているというご相談を多くいただくようにもなりました。教科テストおしなべての総合点数と、学校偏差値を指標にした進路観。少ない担い手がマルチタスクを強いられ、本質に注力しにくい現場。主体性を引き出すハイタッチな介入が、費用対効果で語られ実装しにくい、社会の判断基準の問題。個人で語れば「なんとかしなくてはならない」と誰もが同意するものの、どうしても変えづらい、重力のような「構造的事情」がそこにはありました。
 
 


「個別化の価値観」の実装を目指して

一定の学力や偏差値を基準にする「標準化」の価値観は、学校の中で長く機能してきた枠組みです。わたしたちは、この構造的な事情に違和感を感じ始めている先生、生徒がいることを認識しています。もちろん、従来的な仕組みが合っている生徒さんもいるはずですが、個々人によってありたい状態や、そこにいきつくまでのプロセスは本人の価値観、志向、置かれている状況によっても異なるはずです。

課題意識を共有した先生がたと、新たに学校に実装していこうと取り組んでいるのは「個別化」という価値観です。「個別化」とは、一定の基準に照らして生徒を測るのではなく、生徒一人ひとりの固有のものさしを見つけ、その価値を認め、尊重し、成長を支えることを指します。これまで積み上げてきた学校文化を大切にしながら、生徒自身の内側にある価値を基準にした「自分らしい選択が肯定される」環境を取り入れていくことが大切だと考えています。そうすることで、生徒も、生徒を支援する教員も、共にエンパワーされていく。これこそが、私たちmananicoが、学校の先生がたと一緒に取り組んでいるテーマです。


「チーム」をつくれば
学校改革の難しさは克服できる

学校だけでなく、社会にも「標準化」は広く浸透しており、保護者も、友人も、生徒自身も、その価値観を知らないうちに内面化しています。また、先生がたの教務はますます多層化し、一人の教員が複数の生徒に十分に個別で関わることには限界があります。そのような状況の中で「個別化」の進路支援を学校内だけで実現するのは難しいのが現実です。

危機感を抱いても、構造を変えることには大きな壁があります。だからこそ、私たちは「チームの力」で、学校に個別化の価値観を実装していきます。私たちのスタイルは、パッケージのサービスや教材を納めて終わる業者や、運用に踏み込まないコンサルタントとしてではなく、組織の一員として学校の中に入ることが特徴です。先生がたのお話を丁寧にヒアリングし、課題を整理した上で、コース設計のディレクションや組織づくり、教材開発まで、一貫して伴走します。また、生徒に関わる専門性を持つ人財を組み込み、従来の「1対多」の関係から、「多対多」で支え合う体制へと変えていきます。関わる大人が増えることで、生徒は多様な視点に触れ、自分の中にある「個別の自分」を発見しやすくなると考えています。「自分らしい選択が肯定される」学校を先生方と手を取り合いながら形にしていきたい。チームとして、未来を変える挑戦を続けていきます。